story02-02 of フタガミ家づくり STORY

-中卒で大工の住み込み修行 木を知り尽くした大きな手-
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 夏のある一日、南国市の郊外にあるフタガミのプレカット工場に1人、黙々と木に向き合う福原さんの姿があった。トレードマークの鉛筆を耳から外し、さしをぴったりと木に合わせて寸分の狂いもなく印をつけていく。つくっているのは以前、フタガミで家を建てた施主さんから頼まれたという木製の大きなゴミ箱。その施主さんとは、10年ほど前、福原さんが棟梁として家づくりにかかわった縁で仲良くなり、ずっと付き合いが続いている。何かつくってもらいたい時はすぐに声が掛かり、「そればあ、お安い御用よ」と大きな仕事の合間にそうした仕事もささっとこなす。
 5年間の新居浜での修行後、しばらくは故郷、越知で大工をしていた従兄弟の手伝いもしたが、やがてフタガミの家づくりを専属で請け負うように。以来、もう30年以上、フタガミの注文住宅の仕事を手掛け、その腕一本で、大正町や梼原町など四万十の木の魅力を存分に引き出した家を数多くつくり出してきた。その人懐っこい笑顔と、見た目通りの太っ腹な人柄に、多くの施主さんが親しみを覚え、単なる大工と施主さんというだけの関係を超えて、信頼関係を築いてきた。福原さんに限らず、左官さんでもペンキ屋さんでも、フタガミの場合、地元のベテラン職人が多く、施主さんと職人が心を通い合わせた家づくりができることも地場企業ならではの大きな強みだ。
 この日つくっていたゴミ箱のようなものでも、福原さんは決して手を抜かない。「木自体はまっすぐやないやか。曲がっちゅうろう。その、曲がっちゅうのを上手に使わないかん。木の性質を見極めないかん。この木はこっちへ曲がりそうやき、ここへ使おうというがは見たらすぐ分かるわねえ」
 そう言われても素人にはさっぱりだが、木の年輪のつき方で木の曲がる方向は変わってくるのだそう。それが分からないと職人として木を扱う資格はない。